お腹のマッサージ



食欲がない!

ウサギが食欲を無くす場合原因はさまざまです。
毛球症やうっ滞とかの場合が多いと思いますが、
歯が原因だったり、その他重篤な病気が隠れている場合もあり、
できるだけ早く動物病院で診ていただくことが大切です!
その診断に合わせて家庭での食欲回復のサポートとしてお腹のマッサージはとても効果的です。
また、毛球症やらのうっ滞以外でも色々な原因の食欲不振や下痢の時にも、
お腹のマッサージは意外に効果的ですし少しコツさえつかめてしまえば意外に簡単です。

お腹のマッサージ法をいくつかご紹介します。
上から下へ、簡単なものから、次第に少し慣れが必要なものへと進んで行きます。


注意!

ウサギが食欲不振になったときに効果的なのがお腹のマッサージですが、
行う場合は

必ず獣医さんに診ていただいて、診断を受けてから行うようにしてください!

できたら獣医さんに
『自宅でお腹のマッサージをしても良いでしょうか?』
と質問されることをお勧めします。

「お腹にガスがたまっている」と診断が出た場合には、
マッサージをするとかえって悪化して腸ねん転を起こすこともあります。
特に注意してほしいのは避妊手術を受けていないメスのウサギの場合です。
子宮疾患では子宮が腫れて腸を圧迫し腸内の流れを阻害したことで
食欲不振になってしまう可能性もあります。
そのような場合にはお腹をマッサージすることで
子宮破裂を招くことがありますので十分に注意してください!

以後のマッサージに共通ですが、
慣れないうちは決して強くお腹をマッサージしないこと!
強くマッサージをすると内臓を痛める可能性があります。
お腹をさする程度でも効果はありますので最初慣れないうちはその程度にしましょう!


お腹の音を聞こう!

先ずお腹の動き具合を確認しておくと、マッサージの効果をはっきりと感じることができます。
それにはお腹の「音」を聞くことです。

 聴診器 ウサ飼い一家にひとつあると便利!

お腹の音を聞くには、やはり聴診器が便利です。
安いもの(2000円ぐらいから)でも十分機能的には使えますし、
慣れてくると心臓の音や肺の音なども聞き分けることもできるようになり
ウサギ飼いとして一家にひとつあると健康管理に何かと便利です。
日頃からお腹や心臓の音を聞いておいて、
その音を覚えておくようにすると良いと思います。

写真では分かりやすいように横腹に聴診器を当てて聞いていますが、
お腹の中心に聴診器を当てると胃腸の動く音がより聞きやすくなります。
聴診器は、慣れないと使いにくいと思いますが、コツとしては「しっかりお腹に当てる!」ことです。
そうっと当てると、毛と擦れる音ばかりが聞こえてしまい、
肝心なお腹の音が聞こえなくなってしまいます。
聴診器の使い方に慣れてくれば、お腹の中のどの部分がどのように聞こえてくるのか、
聴診器を当てる場所で判断ができるようになってきます。
胃の部分から音がするのか?盲腸の音が悪いのか?とかです。

健康なウサギのお腹の音は、日頃から聞いて覚えておくのが一番ですが、
「ゴロゴロ」や「キューッ」等の音が聞こえてきます。
これは胃腸内を食べ物やガスが通過する音です。
胃腸が動いていて食べたものが動いていると言う音です。
胃腸の動きが止まれば、もちろん音が聞こえなくなりますし、
反対に下痢をしていると、聴診器を使わないでも、離れた場所からもお腹の音が聞こえるほどに
お腹が鳴っていたりします。

また、聴診器を使わないでもお腹の音は聞くことができます。
直接ウサギのお腹に耳を当てればよいのです!
これでも十分お腹の音は聞こえます。
この場合は、横腹に耳を当てれば、お腹の音を聞くことができます。
ただ、胃腸のどの部分の音がどのように聞こえるのか探すことは困難なので、
はっきりとした胃腸の動き具合を知ることはできなくなります。


どれぐらいの時間、マッサージすればよいのか?

マッサージを行う時間ですが無理をせず1〜2分でもかまいません。
それぐらいでも十分効果があります。
かえって長時間マッサージをするとウサギも嫌がってしまうこともありますし、
内臓を痛めてしまうこともあるので、
特に最初は時間は短めにしてみましょう!

少しマッサージをし、お腹の音を確認。
それを繰り返してみましょう!
マッサージを始める前と後ではお腹の音が違って聞こえてくれば、
マッサージの効果があった!と分かります。


とにかくさする
 このようにお腹の下に手を入れてマッサージします

一番簡単な方法として、とにかくお腹をさすってあげましょう!
特に難しく考えずに、お腹を暖めるような気持ちでさすってあげます。
さする場合は上から下へ(鼻の方向から、オシリの方向へ)
胃腸内の物が動くようにイメージしながら行ってみましょう!

以下の方法全てに共通ですが、とにかくリラックスしてウサギが嫌がらないようにしましょう。
ウサギに余計なストレスをかけないように、ウサギの姿勢は寝た姿勢(うつ伏せ)のまま。
または、上半身に手を入れて、少し持ち上げるようにしても良いと思います。
そして、ウサギのお腹に手を入れてマッサージします。


グルグル法(下痢にも有効!)

お腹に円を書くようにグルグルと「お腹」をさすってあげる方法です。
画像は、背中側から見た方向になっていますが、
グルグルさすってあげるのは、背中ではなく、
「お腹側」だと言うことをお間違いないようになさってください。

 便秘&食べない時の方向

ウサギを真上から見たときの画像方向を示しています。
ウサギを仰向けにして、
反対側(お腹側)から見た場合は、回転は反対方向になることにご注意ください!


ウサギの腸の流れは、人間と同じ方向です。
便秘しているとき、または食べないときは、
腸の流れに沿うように、この方向にお腹をグルグルとさすってあげてください。

 下痢をしている時の方向

反対に軟便や下痢をしているときは、この方向へグルグルとマッサージします。
腸の流れとは反対方向です。

特に難しく考えることはありません。
ただただお腹をグルグルと回すようにマッサージをしてあげてください。
下痢の場合は、お腹が冷えている場合もあるので、
マッサージと同時に、手のひらでお腹を温めてあげるようにしてあげるとより効果的です。


ブルブル法

バイブレーターをイメージしてください。
↑と同じようにウサギのお腹に手を入れて、手をブルブルさせます。
便秘をしているとき、下痢をしているとき、
上のようにグルグル法を合わせて行っても良いかと思います。


もみもみ法

注意!
この方法が一番効果的だと思いますが
ちょっとコツがいりますし強く揉むと内臓を痛めてしまう危険もあり、
もみもみ法を行う場合は十分に注意してください!
とにかく慣れない最初のうちは力を抜いて、弱くマッサージしてください。
あなたがウサギのお腹のマッサージの初心者だとしたら、
あくまでも「参考までに」と言うことでお読みください!


 お腹の内容物を押し出すような感じでマッサージします

上(頭の方向)から、下(オシリの方向)へ、揉み出すような感じと言えばよいでしょうか!?
例えれば乳牛の搾乳を想像なされるとよいかも知れません。
指を全部使い、この写真の場合では、人差し指から小指に向かい、
順々に指を折り曲げていくような感じです。
胃から腸へ、腸から盲腸へと、胃腸の内容物を押し出すような気持ちでマッサージをします。
あばら骨のすぐ下の部分で、ちょっとシコリのような物が手に当たると思いますが、
それは、腎臓、または肝臓です。
その部分は、マッサージしないように注意してください。

マッサージするときの力加減ですが、どんなふうに例えればよいのか?
豆腐ほど柔らかくはなく、
例えれば「焼き豆腐」を潰さない程度の力でマッサージしてあげるぐらいがちょうど良いかと思います。
最初はとにかく優しく!柔らかく!マッサージをしてあげてください。

ウサギの胃腸の触った感覚は「つきたてのお餅」のような感じです。
柔らかく、弾力があります。
経験を重ねていきますと、
胃の中に何かが詰まっている!とか、盲腸にガスがたまっているかも!?とか、
手の感覚だけで分かるようになってきます。
毛球が胃の中にたまっていると、ベタベタした感じが手に伝わってきますし、
ガスの場合は、ポンポンと風船のような感覚がします。
食餌の内容物が胃の中に入っている場合は、
もっと水っぽい感覚が手に伝わってきます。
胃や腸の中に何かが詰まっているようなときは、
それを押し出してあげるようにマッサージをすることもできるようになります。


ウサギに聞いてみましょう

どのぐらいの時間マッサージすれば良いのか?
また、どのぐらいの強さでマッサージすれば良いのか?
マッサージをして、効果が上がっているのか?
確認する一番良い方法は、ウサギに聞いてみることです。

お腹のマッサージをしてもらって、それが痛かったり、
効果が無かったり、時間が長すぎる場合には、
ウサギは嫌がって、逃げたり、手を噛んできたりするかも知れません。
または、緊張して、目が大きくなっていたり、体が硬くなっているかも知れません。

反対に、マッサージをしてもらって、
気持ちよかったり、効果があったりする場合は、
うっとりとした目をしていたり、
「もっと!」と催促までしてくるかも知れません。

うちのウサギのルドルフは、

 マッサージが気持ち良いと、こんな顔になります(笑)

何らかの原因でお腹が痛くなると、
僕のベッドの枕の上でゴロンと横になって、
「マッサージ、しておくれ!」
とばかりに待っていました。
(普段はしない行動です)
お腹のマッサージが気持ちよくて、効果的だと言うことを、
ウサギもちゃんと知っていて、それを憶えています。

このように、ウサギにお腹のマッサージをする場合は、
ウサギにこれで良いのか?気持ち良いのか?聞きながら行ってみてください。
マッサージがうまく行っていれば、
ウサギはちゃんと答えてくれますから。


まとめとして

ウサギが食欲を無くすことは、何かにつけありえることです。
季節的に毛換わりする時期とかには、ちょっとした軽い毛球症を起こす場合もよくあります。
その場合もちろんすぐに動物病院に連れて行くことは重要です!
治療の家庭でのサポートとして、このようなお腹のマッサージをできるようにすることは、
食欲の回復も早くなりますし、飼い主としても慌てないですみます。
ウサギのお腹のマッサージは、やってみると思ったよりも簡単ですし、思ったよりも効果的です。
薬を飲ませるよりも早く回復する場合も多いように思いますので、
食欲を無くしてしまった場合、ぜひ一度お腹のマッサージをお試しください!



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Update: 2003..07.07 / Since: 2003.04.1
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