薬の飲ませ方


うさぎの具合が悪くなったりすると薬を飲ませることがあります。
また、日頃のサプリメントのようなものを飲ませている方もいらっしゃると思います。

ウサギへ薬を飲ませるのは難しいですが、
ちょっとしたコツのようなものを掴んでしまえば意外に簡単に行えることもあります。
そのような簡単なコツのようなものを、今までの経験から書き出してみました。


錠剤

薬を錠剤のままいただいた場合は、
先ず、そのまま手のひらに乗せて直接あげてみましょう!
整腸剤や食欲増進剤等も意外とそのままポリポリと食べてくれることがあります。

 色々な薬があります

例として、我が家のウサギでは、乳酸菌製剤や食欲増進剤、なんと抗生剤まで、
「ほれ!」って差し出すと、そのままポリポリ食べてくれたのがいました。
(かなり怪訝そうな顔をして、おいしくなさそうに食べていましたが(苦笑))
この方法で食べてくれれば、一番簡単です!
それぞれウサギの味のお好みのようなものがあるのだと思いますが、
意外にも色々な薬をこうして錠剤のまま食べてくれることがありますので、
先ず、一度お試しになってみると良いかと思います。


粉薬

粉薬が処方されることがあります。
初めから粉状になっているものもありますが、
動物病院で錠剤を粉状に砕いて処方していただくこともあります。

粉薬の場合はウサギが好きな食べ物に混ぜてみる、振りかけてみる。
オオバのように香りの強い野菜でくるんでみるようにして食べさせてみると良いでしょう。
普段食べているペレットを水でふやかして、
それにかけてみると食べてくれることもあります。
(ペレットを水でふやかさないと、薬だけ残してしまうことがあります)
糖分があるのであまりお勧めではないのですが、
バナナに振りかけるとうまく食べてくれるウサギも多いです。
特に、毛球症やうっ滞で、胃腸の動きが止まっていますので、
そのような場合には、糖分が胃腸内で発酵してしまい、
かえってガスがたまってしまうことも考えられますので、
糖分があるものでの投薬はお勧めできません。
また、投薬が長期間に渡るような場合も、
糖分の多いものでの投薬も、胃腸だけでなく、
歯のためにも良くないのでお勧めしたくありません。

どの方法にしても薬は用量をきちんと守る必要があるので、
食べ残さないように注意してあげてください。


シリンジ(注射器)を使用して飲ませる

それでもうまく食べてくれないようならばシリンジを使用します。
うまくいかないと、ウサギにストレスがかかってしまうこともありますが、
薬の用量もきちんと飲ませることができますので、
(そのまま食べてくれないならば)一番確実な方法だと思います。

 2.5mlのシリンジ

シリンジにて、飲ませる方法としては、
「強制給餌の方法」
と同じなので、そちらをご参考になさってください。
元々、シロップで出された薬も同様です。

 このように飲ませます

強制給餌と違うのは「内容量」と「シリンジの大きさ」ぐらいで飲ませかたとしては同じです。
ウサギの口のはじの部分、口角からシリンジの先を差し込んで行います。
量が少ない分強制給餌よりも楽に行えると思います。
強制給餌に比べて内容量は少ないので、
ゆっくりと飲ませるのではなく、口の中に一気に流し込むと一瞬で済み、
ウサギが嫌がる間もなく飲ませることができます。
ただし、薬の量が多い場合は、あまり一気に飲ませると、
口からこぼしてしまうので、量が多い場合は、ゆっくりと、数回に分けて飲ませると良いでしょう。

粉薬の場合は先ず、粉薬を水で溶きます。
その場合、このような「コーヒー豆用の軽量スプーン」がお勧めです!
形が円錐状なので、薬をシリンジで吸い上げるのがやりやすくなります。

 コーヒー豆用の計量スプーン

薬を水であまり固く溶くと、シリンジのピストンが動きにくくなるので、
粉薬に少しずつ水を加えて柔らかさを調整してみてください。
シリンジで、すうっと吸い上げることができるぐらいの固さがちょうど良い固さです。
反対に、水が多くなってしまうと、飲ませるのに時間がかかり、
途中で薬をこぼしてしまうこともあります。
なるべく1回でいっぺんに飲ませられる少なめの量になった方が楽にうまくいきます。
初めからシロップになっている薬も同様です。
シロップ薬ならばもちろん水で薄める必要はありません。


我が家での薬の飲ませ方

我が家の場合、どのような薬の場合でも、
とりあえず錠剤のままの形でいただいてくるようにしています。
そして上に書いたように、
錠剤のまま→そのまま食べないのならば錠剤を砕いてご飯にまぶす→でもダメならばシリンジで。
のように進んでいくようにしています。
錠剤の形のまま食べてくれないようならば、
次回からは、動物病院で粉状に潰していただくなりシロップ状の薬を頂戴する場合もありますが、
錠剤のままだと保存するのに扱いやすくなります。

薬を切る

錠剤のまま食べてくれるような場合は、
量を調節する必要が出てくることがあります。
「1回半錠」と言うような場合です。
そうなると、錠剤を半分に切って、食べさせる必要が出てきますが、
きちんと切るためにはこのような錠剤カッターが便利です。

 錠剤カッター

薬局で注文すれば取り寄せていただけます。
長期投薬が必要な場合以外はそれほど必要はないかと思います。
薬はハサミを使っても切れますが、
ハサミでを使うよりも錠剤カッターならばうまく切れます。

薬を潰す

薬をそのまま食べてくれない場合は錠剤を細かく砕く必要がでてきます。
すり鉢を使って砕いたり、小さいお皿に錠剤を入れてスプーンのようなもので砕くこともできますが、
細かく砕くのには「乳鉢」がお勧めです。

 乳鉢

乳鉢は薬局で注文すれば取り寄せていただけます。
日本画を描くのにも使うので画材店でも購入できます。
またはハーブを砕いたりするのにも使うのでハーブやアロマテラピー専門店でも扱っていることもあります。
高価なものでもないですし、薬だけでなくペレットを潰したりするのにも使えますので、
うさ飼い一家にひとつご用意されても良いかと思います。

そうして細かく砕いた薬を、水で溶いて、シリンジを使用して
ウサギに強制給餌と同じ要領で飲ませます。


コツと心構えと注意点

以上、我が家での薬の飲ませ方をご紹介してきましたが、
コツとしては、シリンジを使用するときは一気に飲ませてしまうことです。
ウサギが、色々と考える暇無く、飲ませ終わらせてしまうことです。
また、心構えとしても躊躇せず落ち着いてかつリラックスされることだと思います。
「ウサギが飲んでくれるかな?」
と、マイナス思考的に思われずに、
「飲ませるぞー!」
と言うような気持ちで飲ませてしまうことが重要だと思います。

その他注意点としては強制給餌の方法と同様ですが、
間違って鼻の中に入れてしまったり気管支に吸い込ませないようにすることです。
ウサギを膝の上にひっくり返し抱っこをして飲ませる方法も、
強制給餌の方法と同じく、間違って鼻や気管支に薬は入ってしまう危険性が高くなると思っています。
また、ウサギが嫌がって起き上がろうとして脊髄を痛めてしまう危険性もあるので、
普通の姿勢(寝ている、立っている)のまま飲ませてあげてください。

薬を飲ませなければならないような具合の悪いウサギさん達が、
早く良くなってくれることを願いながら!



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Update: 2003..07.14 / Since: 2003.04.1
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