ご家庭でできる酸素室介護


何らかの病気で呼吸が苦しくなったウサギを看護するために、
ご家庭で酸素室を作ってあげることができます。

酸素室が必要になるのは、
いわゆるスナッフル症状。
肺炎。
肺水腫(肺に水がたまる)
心臓病・・・等、
呼吸が荒かったり、苦しそうな場合に必要となります。

普通、そのような状態の場合入院が必要ですが、
酸素室を作ることで、ご家庭で看護することができるようになります。

もちろんですが、
ご家庭で酸素室を作って看護する場合は獣医さんと良くご相談の上
行うようになさってください。


酸素室を作る

酸素を発生させるのには、
パナソニック製「酸素エアチャージャー」を使用しています。
オープン価格なので2万円から3万円程度です。

パナソニックのホームページ

の中の

酸素エアチャージャー(直リンク)

酸素室は手作りで、市販の「衣装ケース」です。
衣装ケースは、中が見えるように
透明または半透明を使用すると良いかと思います。
真っ暗にしてしまうと外から見られないと言うこともありますが、
中に入れられたウサギも不安がります。

大きさは、ウサギが伸びて寝られる以上の大きさが必要です。
大きすぎても酸素濃度を高く維持するのに不都合なので、
適当な大きさを選ばれると良いと思います。
画像の衣装ケースは、48センチ×35センチ、深さが28センチのものを使用しました。

衣装ケースの上蓋に穴をあけます。
先ず酸素の入り口。
酸素エアチャージャーのホースのサイズに合わせ、
約直径5ミリ程度の円形の穴を開けます。
それと対角線上に位置するような場所に空気の出口の穴を開けます。
空気の出口は、あまり大きく、多くしてしまうと酸素室内の酸素濃度が下がるので、
あまり多く開けすぎないことが重要です。
画像では分かりにくいですが、約5ミリの空気排出口として穴を8つほど開けています。
酸素の入り口と出口を作れば良い、と言うことです。

エアチャジャーのヘッドセット型の酸素出口の部分を取り外して、
ゴム製のホースの部分を直接、開けた穴に差込みます。

酸素室内には、ペットシーツやタオルなどを敷いて使います。
これで酸素室ができあがります。

しかしこの方法にはいくつか欠点があります。

酸素エアチャージャーは、30分のタイマーがついており、
30分で電源がオフになってしまいます。
つまり、連続的に使用するとなると、
30分おきにスイッチを入れなおさないとならない。

オシッコをすると急激に酸素室内の気温や湿度があがってしまいます。
なので、オシッコをする度にマットやペットシーツを取り替えないとならない。
酸素室内には、温度計と湿度計を設置することが必要になります。

この方法で長時間酸素室を使用するとなると、
かなり大変な看護となってしまいます。
酸素は24時間、つけっぱなしにしないとなりませんし、
湿度や温度の上昇は、熱中症にもつながりますので特に夏場は十分な注意が必要です。
飼い主は24時間完全看護状態となり、寝る間も無くなってしまいます。
なので、この方法は連続で酸素が必要になるような状態ではなく、
時々酸素が必要になるような状態や
リフレッシュさせたいような場合にお勧めです。

実際に我が家のウサギだったルドルフに使用した方法で、
心臓肥大のために肺が心臓に押されてしまい呼吸困難に陥っていた時期に行っていた方法で、
月へ帰るまでの最期の約2週間程この酸素室の中で過ごしました。


酸素濃縮器&酸素ボンベ

医療用の酸素ボンベや、酸素発生器(酸素濃縮器)をレンタルすることもできます。

小動物専用の酸素室(動物用ICU)をレンタルしてくださる会社もあります。

テルコム株式会社

酸素濃縮器をお借りすることができ、
月単位、または日割りでのレンタルもしてくださるようです。

その他にも、酸素ボンベ等をレンタルしている会社もありますので、
お住まいのお近くで、
検索なさるなど、お探しになってみられてください。

場合によっては「ペットに使用する」と伝えると、断られることが多いそうなので、
それぞれのレンタル会社に問い合わせてみられてください。
また、どのぐらいの期間使用するかによっても値段が違ってくるようです。

動物病院によっても、酸素ボンベ等をレンタルしてくださるところもあるようですし、
直接レンタルしてくださらなくても、レンタル会社を紹介してくださるかも知れません。
獣医さんにもご相談なさってみられるのも良いでしょう。


どの方法が良いのか?

酸素エアチャージャーは、
酸素濃度が約30%で、ご家庭での介護にも十分使える濃度です。
また、簡単に使えますし、
レンタル期間を気にせずに使えると言う利点があると思います。
人間も酸素を吸うと、スポーツの後や疲れての頭痛とかにも効果的ですので、
お持ちになって損は無いと思います。

レンタルの酸素発生器は連続で使用できるメリットがあります。
ただし使用期間のことも考えないと、
レンタル料金が高くなってしまう可能性もあるかと思います。

酸素ボンベの場合は、長時間使用は不可能ですが、
濃度が高い酸素を送ることができます。
ただし、まず無いとは思いますが、
あまり高濃度の酸素を長時間吸わせると酸素中毒を起こす可能性があるかも知れませんので、
獣医さんにご相談ください。

状況によって、酸素エアチャージャーなのか、
酸素ボンベのレンタルか、使い分けると良いと思います。
長期間、酸素室が必要となるならば、酸素濃縮器が良いでしょうし、
時々使用したい、急に必要とされる可能性があるのならば、
酸素エアチャージャーが適任かと思います。



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