第二章◎実践編 野菜はおいしい!

お勧め野菜リスト

あげても良い野菜、注意が必要な野菜と分類していますが、何よりも大切なのは、それぞれの季節の旬のものや新鮮な野菜を中心に、1回に少なくとも5種類以上を、バランス良く与えることです。

あげても良い野菜

あげても良いけど、やや注意が必要な野菜

※ハーブ類=イタリアンパセリ・チャービル・バジル・タイムetc...

食べるけど、あげない方が良いもの

あげては(食べさせては)いけないもの

  • ×アスパラガス
  • ×ネギ類
  • ×ニラ
  • ×トウモロコシ
  • ×ピーナツ
  • ×ピーマン

それぞれの野菜の解説 期待できる効能効果

栄養価は、タンパク質の量、それと糖分や脂肪分の含有量などを総合して、レベルとして表しています。★の数が多いほど高くなります。カルシウムとシュウ酸のレベルも同様です。調べても分からなかったものは「?」で表記しています。ただし、その野菜の収穫された時期や場所栽培法等によっても、栄養やシュウ酸等の量は変わってきます。

明日葉
栄養価★★★★ カルシウム★★★★ シュウ酸?
春が旬。年中出回りますが、春にその効能が高まります。含まれる栄養素には、βカロチン・ビタミンB2・C・鉄・カリウム・カルシウム等が多く含まれていて、栄養素の宝庫です。明日葉の茎や葉から出る黄色い汁は「カルコン」と言われる成分で、抗ガン・血栓予防・アレルギー・胃潰瘍・糖尿病の合併症の予防等の効果が期待できます。明日葉の特有の香りは、ストレスを軽減したり「気」の巡りを良くすると言われています。与えすぎるとカルシウム尿が多く出ることがあります。栄養価がとても高いので体調不良時や成長期のウサギに。
エンダイブ
栄養価★ カルシウム★★ シュウ酸?
冬が旬。βカロチン、ビタミンB2、C、カリウムや鉄分が豊富です。
オオバ
栄養価★★★ カルシウム★★★ シュウ酸★★★
夏が旬。βカロチン(ビタミンA)含有量が多いのが特徴。香りの成分であるペリルアルデヒドには、強い防腐、殺菌作用があります。細菌性の胃腸炎や口内炎のようなもの、神経症状に効果的。免疫力強化、浄血作用も期待できます。
カブ
栄養価★★★ カルシウム★★(葉★★★) シュウ酸★
晩秋から冬が旬。根にはジアスターゼ、葉にはβカロチン(ビタミンA)カルシウム、鉄が多く含まれています。葉は、実よりも栄養豊富で、カルシウムが高いので注意を。白いカブには、肺の機能を高める作用があり、呼吸器を丈夫にします。また、カブにはガンを抑制するグルコシアネートという栄養素が大量に含まれており、野菜の中でもトップクラスです。消化促進・免疫力アップ・胃炎・胃弱・消化不良・ガン予防・貧血・骨粗しょう症等に効果が期待できます。
カリフラワー
栄養価★★ カルシウム★ シュウ酸★★★
冬が旬ですが、夏にも出回ります。シュウ酸は高めですが、イソチオシアネート、フェノール、ステロール等と言う成分をはじめ、ガン予防に役立つ成分が豊富です。また、茎の部分に特にビタミンCが豊富で、パンテトン酸・葉酸・ビタミンB6等と共に、免疫力強化を期待できます。パンテトン酸は、悪玉コレステロールを除去し、心臓や血管を健康にします。鉄分も高く、貧血にも効果が期待できますし、カリウムも多く含まれていて、血圧効果作用もあります。ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)を含んでいるので与えすぎに注意。葉や茎の部分をスライスしてあげましょう。
キュウリ
栄養価★ カルシウム★ シュウ酸★
夏が旬。95%程度が水分で、カリウムが多く含まれています。カルシウム、マグネシウム等のミネラル成分も多く含まれています。キュウリの青臭さはピラジンと言う成分で、血栓予防や利尿作用もあります。ガンの予防、活性酸素の除去などの効果も期待できますが、体を冷やす効果があり、夏場に最適な野菜です。
グリーンリーフ
栄養価★ カルシウム★ シュウ酸★★
年中出回ります。「グリーンカール」とも「カールレタス」とも呼ばれます。水分が多く栄養価も低めなのでダイエット向き。
京菜
栄養価★★ カルシウム★★ シュウ酸?
冬が旬。βカロチン、ビタミン類や、ミネラル分が多く含まれていて、血液浄化作用などが期待できます。冬場、野菜が少ない時期に便利。
ケール
栄養価★★★★ カルシウム★★★★ シュウ酸★
春から初夏にかけてが旬。青汁の材料になっていることで有名。ビタミン類は野菜の中でもトップクラスに含有しています。同時にカルシウムもかなり高く注意が必要。効能もとても多くあり、胃炎、肝炎、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞などに効果的と言われています。
小松菜
栄養価★★★ カルシウム★★★ シュウ酸★
冬が旬。野菜の中でも特にカルシウムが高いので注意。骨粗しょう症予防、心機能改善に効果があります。カルシウムも高いですが、ビタミン類、ミネラル分も多く含まれています。
サニーレタス
栄養価★ カルシウム★★ シュウ酸★
一年中出回りますが、晩秋が旬。βカロチンは普通のレタスの15倍も含まれています。貧血や粘膜強化の効能が期待できます。
サラダ菜
栄養価★ カルシウム★ シュウ酸★★★
冬が旬。βカロチン、カリウムや鉄分、ビタミンB2、C等、豊富な栄養素を含んでいます。サラダ菜も、他のレタス系の野菜と同様に水分が多いですが、βカロチンが他の野菜に比べても多く含まれています。便秘、骨粗しょう症予防。水耕栽培物は硝酸塩がかなり高いので注意!
春菊
栄養価★★ カルシウム★★★ シュウ酸★★★
冬が旬。栄養のバランスが良く、βカロチンや鉄分、カルシウム、ビタミンB2などが含まれます。脾臓を強める作用があり、食欲不振、下痢、などに効果的と言われています。また体を温める作用があります。硝酸塩や農薬が高い場合があり注意!
セリ
栄養価★★ カルシウム★★ シュウ酸★★★
冬から春先が旬。カリウム、マグネシウム、ビタミンB6が豊富です。豊富に含む葉酸やパンテトン酸の効果で体内の細胞の活性化、造血作用があります。また、解毒、強壮作用に優れています。小腸を強める作用も期待でき下痢や便秘にも効果的です。ただしシュウ酸が強く、あまり大量に与えない方が良いでしょう。野生に自生しているものは、種類により毒性が高いものがあるので、十分注意してください。
セロリ
栄養価★★ カルシウム★ シュウ酸★
ビタミン類が豊富です。95%以上が水分でキュウリと同じく体を冷やす作用があります。また、利尿作用も高くダイエットにも最適です。セロリの香りは、ストレスを軽減する作用があると言われています。
ダイコン葉
栄養価★★★ カルシウム★★★ シュウ酸★
一年中色々な種類が出回ります。葉の部分はβカロチン、ビタミンA、カルシウムが豊富です。含まれているポリフェノールは,動脈硬化を防ぎ、脳梗塞、心筋梗塞やコレステロール値を下げる効果があります。消化促進、ガン予防、胃潰瘍や便秘予防に効果があります。
チンゲン菜
栄養価★★ カルシウム★★★ シュウ酸★★
一年中出回ります。ビタミンAとCを豊富に含んでいます。カルシウム、カリウム、鉄分も豊富です。貧血、便秘、高血圧予防などに効果が期待できます。硝酸塩が高い場合があり注意。
菜の花
栄養価★★ カルシウム★★ シュウ酸?
冬から春先が旬です。ビタミンA、それに大量のビタミンCを含んでいます。同時に、カルシウムの量も多く含まれています。コレステロールの排出を促進したり、免疫力のアップが期待できます。
ニンジン(葉、実)
栄養価★★★ カルシウム★★(葉は★★★) シュウ酸?
春と秋が旬。秋のニンジンの方が味が良いとされています。ガン抑制に効果のあるβカロチン(ビタミンA)を特に多く含み、免疫力強化に役立つを言われています。また、すい臓ガンや肺ガンの予防に最適だと言われています。
パセリ
栄養価★★★ カルシウム★★★ シュウ酸★★★
一年中出回りますが、春が旬。カロチン、ビタミンC、鉄、カルシウム、カリウムなどが他の野菜に比べて、とても多く含まれています。亜鉛も多く含まれていて免疫力強化にも最適ですし、食欲増進作用もあります。解毒殺菌作用も強く持っています。また、肺の機能を高める作用が期待できます。
ブロッコリー
栄養価★★★ カルシウム★ シュウ酸★★★
一年中出回りますが、旬は冬。ビタミンCやEが多く含まれています。インドール化合物も多く含まれていて、抗ガン作用を持っています。かつ、イソチオシアネートと言うイオウ化合物の一種も多く含まれていて、こちらも、発ガン物質を活性化する酵素を阻害する作用を持っています。 特に、食道、大腸、肝臓、肺、などのガンを抑制するのに有効な成分と言われています。葉や茎の部分をスライスしてあげましょう。
水菜
栄養価★★ カルシウム★ シュウ酸?
冬が旬。ビタミンCが多く含まれています。シュウ酸が少ないのが特徴です。野菜の少ない冬場に便利。
三つ葉(糸三つ葉、根三つ葉)
栄養価★ カルシウム★ シュウ酸★
冬から春が旬。三つ葉の独特の香りは「クリプトテーネン」という成分で、神経を沈めたりストレスを改善したりする効果が期待できます。
ラディッシュ
栄養価★★ カルシウム★ シュウ酸?
一年中出回ります。ラディッシュはダイコンの仲間で別名「二十日大根」とも言われます。
キャベツ
栄養価★★★ カルシウム★★ シュウ酸★★★
春が春。ビタミンUやβカロチンなど他の野菜類にはない特殊なビタミン類を含みます。ビタミンUは解毒、利尿作用があり、胃腸病には最適。シュウ酸が高いので注意。
ターサイ
栄養価★★★ カルシウム★★★ シュウ酸?
冬が旬。硝酸塩が高めなので旬の時期だけ与えましょう。
トマト
栄養価★★ カルシウム★ シュウ酸?
夏が旬。リコピンという免疫力強化作用のある成分や、βカロチン・ビタミンB・C・P・H・クエン酸など豊富な栄養素が含まれています。トマトのヘタと青い部分には「ソラニン」と言う毒性の物質が含まれているので注意!与える場合は赤く熟した部分を与えるように。
モロヘイヤ
栄養価★★★ カルシウム★★★ シュウ酸★★
夏が旬。その種と茎に毒性があり、十分な注意が必要!マーケットなどで売られてるものは、種も茎も取り除かれているので、必要以上に心配はいらないと思います。シュウ酸もやや高めです。
レタス(丸いもの)
栄養価★ カルシウム★ シュウ酸★★
ほとんどが水分で栄養価も低くビタミンもB1を少し含むという程度ですが、野菜では珍しくビタミンEも含んでいます。ピーターラビットが食べ過ぎて眠ってしまった、と言うお話があるぐらいで、白い汁には「ラクッコピコリン」と言う成分があり、鎮静、催眠効果があるとされています。そこからウサギには良くない野菜として位置付けられたのかも知れません。
ハクサイ
栄養価★★ カルシウム★★ シュウ酸★★★
冬が旬。良質性の植物性のタンパク質、ビタミン類、ミネラルがバランス良く含まれています。また、水分が高いので冬の野菜なのですが体を冷やす効果があります。インドール化合物、ジチオールチオニンと言う、抗ガン作用がある成分が含まれていて、特に、呼吸器系、大腸、皮膚のガンに良いと言われています。薬効的な成分としては優秀ですが、シュウ酸も高いですし、ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質 )を含んでいるので与えすぎには注意。
ハーブ類
ハーブについては個々で色々な薬効作用を持っています。反対に言えばハーブ類を大量に与えるとその薬効作用が強く出てしまうことも考えられるので、ハーブ類は、オヤツ程度の感覚で与えると良いかと思います。柑橘系のハーブ、レモングラスなど、あるハーブ類は、 その柑橘系の成分、シトロールがウサギ特有な作用、血管壁を壊す作用があると言われていて少量ならかまわないと思いますが、やや注意が必要です。
フルーツ類・柑橘類
その糖分が虫歯等の歯の病気の原因になったり、胃腸内で異常発酵をする場合があります。少量なら、オヤツ程度なら良い、とも言われますが、その少しなら……が虫歯の原因になりかねません。また肥満になったり、血糖値が高くなったりとフルーツ類を与えるメリットは無いと思っています。ドライフルーツも同様です。特に柑橘系のフルーツに関しては、柑橘系の成分、シトロールがウサギ特有な作用、血管壁を壊す作用があると言われていて注意が必要です。
イモ類・穀類・トウモロコシ・豆類
糖分と同じく、その炭水化物が虫歯の原因になったり、胃腸内で異常発酵する可能性があります。トウモロコシはそれに付くカビが有毒だと言われています。
芽キャベツ
甲状腺腫誘発物質が多量に含まれているので、与えない方が安全と思われます。
ほうれんそう
ウサギに与えてはいけないと言われる代表的な野菜。近年、サラダほうれん草がシュウ酸が少なめとして出回っていますが、反対に硝酸塩が高くなっているという報告もあります。ビタミンB1・B2・CやKなど、ビタミンを豊富に含み、鉄やカリウム、葉緑素、葉酸なども含む栄養豊富。シュウ酸、硝酸塩ともに数値がとても高いです。

お勧め野菜について

他にもウサギが食べる野菜はありますが、一般的にマーケットや八百屋さんで手に入りやすいものを中心に書き出してみました。食べても良い野菜と、あげても良いけど、やや注意が必要な野菜等に分けましたが、これは通例ウサギに与えて良いとされているもの、与えてはいけないと言われているものとして分類しています。実際にはいけないとされている野菜類でも、例えばトウモロコシやほうれん草ピーマンなど、少々食べさせても大丈夫なものもありますが、あえて与えたりしない方が無難だと思われます。ウサギに与えても良い野菜でも、同じ野菜だけを毎日毎日大量に与え続けていれば、栄養的にバランスが崩れますので色々な野菜をバランス良く与えましょう!

その他詳しいことは「うさぎにとって健康的な食生活とは!?」の本文と合わせてお読みください。

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